A-Life News

2016.06.30

マイナンバー制度について

マイナンバー制度が始まっています

 マイナンバー制度が平成28年1月からスタートしています。制度のスタートに伴い、付番と通知がされています。マイナンバーについては様々な情報が飛び交っていますが、開始時点では、社会保障、税、災害対策の分野での利用から始まります。今後様々な場面での活用が予定されているこの制度は、たくさんのメリットがある反面、不安要素も少なくありません。とは言うものの、今後の社会生活において非常に重要であり、日本国内で住民票を持つすべての人が持つものとなります。

 では、実際どのような制度なのか正しく把握されていらっしゃるでしょうか?今回はこのマイナンバーについて解説したいと思います。

 

マイナンバーのメリット

 内閣官房のホームページによると、マイナンバーのメリットは下記の内容が記されています。

 1つめは、所得や他の行政サービスの受給状況を把握しやすくなるため、負担を不当に免れることや給付を不正に受けることを防止するとともに、本当に困っている方に
きめ細かな支援を行えるようになります。(公平・公正な社会の実現)

 2つめは、添付書類の削減など、行政手続が簡素化され、国民の負担が軽減されます。
また、行政機関が持っている自分の情報を確認したり、行政機関から様々なサービスのお知らせを受け取ったりできるようになります。(国民の利便性の向上)

 3つめは、行政機関や地方公共団体などで、様々な情報の照合、転記、入力などに
要している時間や労力が大幅に削減されます。複数の業務の間での連携が進み、作業の重複などの無駄が削減されるようになります。(行政の効率化)

 大雑把に言えば、「不正をしにくい環境を構築、且つ行政の仕事量を削減する事により、公平性の確保と無駄を排除するための制度」と内閣官房は記しています。また、今後の改正により、利用範囲の拡大を進めていく予定となっており、税や社会保障、災害対策以外にも、医療や金融などにも十分な議論を重ねた上で利用範囲を拡大する予定としており「マイナンバー1つであらゆる個人情報を管理する」事により様々な場面で役立てる個人情報のビックデータ化を進めようとしているようです。

 

マイナンバーのデメリット

 さて、メリットで説明させて頂いた通り「マイナンバー1つであらゆる個人情報を管理する」となると、1つ切り離せないすごく大きなデメリットが存在します。それは「マイナンバーの漏洩や不正利用」です。交付される「マイナンバーカード」の中には券面に記載される情報や公的個人認証の電子証明書等に限られる、としており、マイナンバーは各種行政機関がデータをそれぞれの機関に照会するときに利用する照会番号として利用され、データ自体を一元管理するわけではないので、マイナンバーが漏洩すればすべてが丸裸になるという訳ではないようですが、今後の利用範囲拡大が進んでいく事を考えると個人でのマイナンバーの取扱いには十分に注意をする必要があると考えられます。

 様々な場面で利用する事が考えられるマイナンバーは、個人情報保護法だけではなくマイナンバー法(番号法)で範囲の拡大と上乗せの罰則を作って政府も牽制をしてはいます。ですが、取り扱う方々には十分に注意して取り扱って頂きたいものです。

 

今後の利用範囲拡大

 政府は、平成27年3月10日に預金口座に適用するマイナンバー法改正案を決定しました。この改正に伴い、2018年から預金者に対し、任意で銀行への登録を呼びかけていき、個人の資産を把握しやすくし税金や社会保険料の徴収に役立てる。ということで、個人情報保護法改正案も決定しています。これに加え、現在、医療現場での利用も検討されており、今後早い段階で決定すると考えられます。医療機関同士が連携してカルテの共有などをすることで、二重診療を避けて医療費を大幅に抑えられると期待されています。

 さて、ここからは完全に予想になりますが、考えられる我々国民にとっての利点としては、本人確認の手段として利用可能であるという点です。インターネットなどを通じて利用するサービスの中でも、利用者の本人確認が必要なものが多数あります。例えばネットバンクやネットオークションなどが思い浮かぶと思います。登録時の書類のやり取りというのは非常に面倒なことですが、NFC※1という技術を利用する事で瞬時に本人確認を済ませる事が可能になるかもしれません。NFCが利用されているモノで一番身近なものは駅の改札です。ICOCAなど改札にかざすだけで運賃の支払いが完了するこの技術を利用して、NFC利用可能なスマートフォンなどにマイナンバーカードをかざすだけで本人確認が終了するとなれば非常に便利になりそうですね。

※1「NFC」とは、ソニーとフィリップス(現NXPセミコンダクターズ)が共同開発し、国際標準規格として
承認された、近距離無線通信技術です。現在日本では、おサイフケータイやICOCAなどで採用されています。

また、日本以外でマイナンバー制度同様の制度がある国では、クレジットカード機能などがついている国もあります。今後、様々な機能が付加されれば、より一層利便性が増すと考えられます。

 

やっぱり怖いマイナンバー漏洩

 となると、やはりマイナンバーの漏洩は非常に怖い事です。マイナンバーは原則的には一生共にする数字ですが、漏洩の可能性がある場合は、変更できるとしています。しかし一時的にでもマイナンバーを利用して、何かしらのデータを引き出されたら…。と考えると本当に取扱いには十分注意が必要な事がご理解いただけたと思います。

 今後、様々な場面で利用する事になると考えられる番号ですが、その利便性を安心して利用できるよう、不正や漏洩に対して今までより一歩進んだ自己防衛を心がけて大切な個人情報が自分の手から零れ落ちないように十分注意して取り扱いましょう。