日ごとに寒さが増し、日だまりの暖かさが心地よく感じる季節となりました。
いつもの景色を紅葉が美しく彩り心癒されますが、秋の夜空もまた良いものです。
11月に入ると“おうし座流星群”が良く見える時期に入ります。年末に向け忙しい日々
となりますが、ぜひ、夜空を見上げてほっと一息、流れ星を探してみて下さい。
またインフルエンザ流行の時期にもなりますので、体調管理に注意していきましょう。
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1)人生100年時代の到来と、介護・認知症問題
2)もし経営者が認知症になったら?
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1) 人生100年時代の到来と、介護・認知症問題
「きんは100歳、ぎんも100歳~」皆様、昔流行ったダスキンのテレビコマーシャルを覚え
ていますでしょうか?あのきんさんぎんさんがCMに出ていた1990年代、100歳を越える方
の人数は3000人弱でした。厚生労働省は2020年9月15日、全国の100歳以上の高齢者が同日
時点で8万450人に上り、初めて8万人を超えたと発表しました。日本は高齢化率で世界
一だそうです。公益財団法人日本生命保険文化センターの資料によりますと、85歳以上の方
の6割が要支援・要介護認定を受けているとのこと。これからは要介護や要支援状態になるこ
とも想定したライフプランが必要になって来ます。
要支援・要介護の原因のトップは「認知症」
介護や支援が必要となった主な原因としては、「認知症」が最も多く約18.0%を占めてい
ます。次に多いのが「脳卒中などの脳血管疾患」(16.6%)、「高齢による衰弱」(13.3%)、
「骨折・転倒」(12.1%)、「関節疾患」(10.2%)と続きます。
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2)もし経営者が認知症になったら?
下記に社長が認知症になった場合の、事業に絡む疑問点についてみていきましょう。
①社長の地位はどうなるの??
経営者の認知症がわかっただけでは、役員としての地位などに影響はありません。
ただし、認知症の症状が悪化し「判断能力が乏しい」となった場合に、後見開始の審判
や保佐開始の審判を受けることがあるかと思いますが、これは役員としての欠格事由に
該当するので、強制的に役員から外れることになります。
②社長が交わした契約はどうなるの?
軽度や中程度の認知症の場合、いつもと変わらず会話が成立する場合も多く、そうした
際に締結した契約は原則有効と言えます。ただし、明らかに重度の認知症と診断されて
いて「契約を締結できる意思能力がない」となると、契約は認められず無効になってし
まう可能性があります。
③預貯金がおろせなくなる?
例えば、暗証番号を忘れてしまったり、窓口で自筆署名ができなくなるケースが考えら
れます。こういった場合金融機関は、詐欺や横領などの犯罪、口座の不正使用から資産
を守るためにその口座を凍結します。そうなると、ご本人はもちろん、ご家族も簡単に
は口座からお金をおろすことができなくなります。生活費などの必要な資金は別の口座
で管理する、などの対策をしておくと良いかもしれません。
④金融機関からの借入金はどうなる?
経営者の認知症が分かったとしても、金融機関から一括返還を迫られたりすることは基
本的にはありません。融資契約を結んだ時点でその内容が変わることはなく、有効な状
態が続きます。一方でもしも、「あそこの社長は認知症らしい」との話が広まった場合、
金融機関は一番に返済の遅滞を警戒するのではないでしょうか?そうなると、今後の運
転資金等の追加融資を受けることができるか?のリスクの方が高くなるかと思われます。
⑤経営はどうなる?
経営者が認知症になった場合、困るのは資産の事だけではありません。
中小企業の経営者の場合、社長が自社株の大半を持っているようなケースがありますが、
その社長の意思能力がなくなれば、議決権を行使する事もできなくなり、二代目へのバ
トンタッチも難しくなることがあり得ます。事業承継にかかわらず、総会での議決が必
要な経営判断すべてに同じことが言えるでしょう。
上記に5つの疑問事例をあげましたが、この他にも社長が認知症と診断された場合、こ
れまで考えもしなかったリスクに遭遇する可能性があります。
対策が不十分なまま相続が発生してしまえば遺産分割協議が荒れるおそれもあります
し、事業用に使っている土地・建物が社長の個人名義であれば、それも処分できず事業
承継もままならないという事もあります。
人生100年時代、「もしも自分が病気になったら」「もしも自分が認知症にな
ったら」経営はどうなるのか?を想像してみてください。
自分やご家族のために、従業員とそのご家族の人生のためにも、早いうちからライフプ
ランを立てる事をおすすめ致します。
エーライフからも、お役に立てそうな情報を随時配信していきたいと思います。
次回は、「後見制度」についてご紹介したいと思います!