A-Life News

2016.02.27

共働と片働どっちがお得?

共働きで手取りが増えるのかどうか、それが重要だ

 近年共働き家庭が非常に多くなり、専業で家事をするという方が徐々に少なくなってきています。現在は、夫婦そろって働くという事がごく当たり前となってきています。所謂、共働きです。パートナーが望む、望まないに関わらず、現在の所得の平均額を考えると片働きではなかなか家計を維持するのは困難になってきている事が原因ではあります。また、現在、「103万円の壁」となっていた配偶者控除の廃止も検討されているのでより一層、共働き家庭が増える事が予想されます。共働きにはそれぞれメリット・デメリットがある事は皆さんご存知の通りだと思います。例えば、所得は増える、社会で活動する事で一定の刺激があるので若々しくいられる一方で、家事が疎かになってしまう、夫婦の時間を確保しにくくなる。などがあります。この点については、人それぞれに考え方がある部分ではありますが、共働と片働どっちが税金的な面で有利なのか?という事を考えて収入を調整すれば、個人でも税金対策が出来る事はご存知でしょうか。今回は、共働と片働どっちがお得かについて解説させて頂きたいと思います。

 

A君の家とB君の家はそれぞれ世帯年収1000万円あります。

 突然ですが問題です。A君の家のパパは年収1000万円あります。B君の家は共働きでパパが600万円、ママが400万円の収入があります。さて、A君の家とB君の家では手取額(可処分所得)に差はあるでしょうか?

正解は…
B君の家の方が手取額(可処分所得)は多くなります。

 現在日本では累進課税を採用しており、所得が多くなればなるほど所得税の税率は大きくなることはご存知の通りだと思います。この累進課税で計算すると

A君の家は、
1000万円×33%-153.6万円=176.4万円の所得税がかかります。

B君の家は、
パパが600万×20%-42.7万円=77.3万円
ママが400万円×20%-42.7万円=37.3万円
77.3万円+37.3万円=114.6万円の所得税がかかります。

 A君の家とB君の家では所得税に50万円以上もの差があります。これに加え住民税や社会保険なども収入によって変わるので、概算ではありますが60万円~70万円ほどの差が生まれると考えられます。

 

3つの壁の向こう側の超えるべき壁

 配偶者控除は今後廃止が検討されていますが、現在はまだ有効中ですので、今回は現行でどのラインが手取UPに繋がるかを解説いたします。廃止になる事が決定した頃に改めて、配偶者控除の廃止と新たに整備予定の夫婦控除についてはご案内させて頂きたく考えております。

 共働きをする上でパートナーの収入に対して3つの壁があります。1つは「103万円の壁」これは皆さんご存知とは思いますが、配偶者控除を受けるために超えない様にセーブしなければならない年間収入額になります。次に「100万円くらいの壁」です。これは、地域差があるので「くらい」という表現をしましたが、住民税が課税される可能性がある所得になります。最後に「130万円の壁」これは、社会保険料の負担が発生するようになる壁です。2016年10月にはこの壁は「106万円の壁」に変更される予定です。そうなると新たに超えるべき壁が出現します。それが、「155万円の壁」です。

 

130万の壁を越えてしまったら必ず超えろ!155万円の壁

 結婚して共働きをしている年間所得が「129万円」のAさんと「140万円」のBさんと「155万円」のCさんが居ます。それぞれの手取額を以下の表にまとめましたのでまずはご覧ください。

  社会保険料の支払いが必要ないAさんは、住民税のみの負担で世帯年収の増加額は121万円です。この世帯収入の増加額をぎりぎり超える金額が155万円となります。ちなみにBさんは、Aさんより10万円も増加額が少なくなるので10万円分多く働いて20万円分多く税金を取られているという事になり非常にもったいない状態になります。正社員でバリバリ働かれている場合は気にしなくても大丈夫かと思いますが、パートで微調整しながら働かれている場合はこの部分を十分注意して働く時間を調整する事をお勧めします。パートなどの場合、繁忙期に急な出勤依頼で予定より収入が増え年収が103万円を超えてしまったり130万円を超えてしまったりなどは十分あり得ると思いますので、十分にご注意ください。

※1.上記の表の数値は、住民税などを加味した金額になっておりますが、地域によって差がある為

    若干誤差が発生いたします。詳しくはお近くの税務署にお問い合わせください。

 

夫婦と家族とお金

 始めにお伝えした通り、昭和の時代は、家計を支えるのは男性の仕事というイメージが強くありましたが、現在では夫婦で一緒に稼ぎ、家事を分担し、子育ても分担という形がごく当たり前となってきています。男女共に生活のパターンが変わってきたことにより様々な問題が発生してしまう場合があります。昔ながらの常識では対応しきれない場合も多くある為、家庭環境の変化に柔軟に対応する必要がある時代だと強く感じている方も多いのではないでしょうか。収入が増えたとしてもその分様々な負担が家庭にかかるので、円満な夫婦関係や家庭環境を維持する為に、負担を夫婦で分担して軽減していく必要がある事も十分に理解し、ご夫婦だけでなくご家族全員で役割分担と各々の仕事と家庭に関しての理解度を高めお互いが助け合える環境が必要となってきています。「これは女の仕事」「これは男の仕事」というような枠組みを意識しすぎるとひずみが生まれてくるのかもしれません。

 家庭を維持するにはお金が必ず必要です。よく愛はお金では買えないとは言いますが、愛を維持させるためには必ずお金が必要になります。お互いにパートナーの体調やメンタルの状況などを見て助け合う協力体制を維持した上でばっちり稼いで「マイホームを手に入れる」「毎年旅行に行く」など、家族の希望を叶えるかっこいいパパとママになれるようにまずは、地盤となる収入を効率よく増やすために今一度、税制について理解を深めて頂ければと思います。